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progress ~東リべ卍~R18~

第21章 rise*



着いた先は、ランと万次郎が住む佐野家だった。

もちろん千冬は初めて来たので緊張してしまう。


渡したいものがある。
そう言って車庫に連れられた。



「これ、今日から千冬のもの。」


ニッコリ笑って言うランの横にあるものは、明らかに場地のバイクGSX250Eだった。


「え……」


「今まで圭介が乗ってたゴキだよ。
きっと圭介は、千冬に持ってて欲しいと思うから。」


千冬の大きく見開かれた瞳が揺れ、たちまち潤みだした。


「ありがとう…ございます…」


ゆっくりと跨ってみると、
場地の温もりが残っている感じがした。


「場地…さん……」


思わずそう呟いた時、


「おーっ!!似合ってんじゃんお前」


突然の声にビクリとし、視線を向けると
万次郎がどら焼きを食べながら突っ立っていた。
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