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progress ~東リべ卍~R18~

第21章 rise*




墓石の前で、いつまでも涙を流してしゃがみこんでいるランに、千冬は呼びかけた。


「ランさん。」


そして、手を差し伸べる。
その手首にはまだ切れてないミサンガがしてある。



「七転び八起きですよ。
立ち上がり続けりゃ勝つんです。」



"人生は七転び八起きだ。
立ち上がり続けりゃ勝つんだよ"


そう言っていた場地の姿が千冬に重なった。



ランはゆっくりとその手を取り、立ち上がる。

場地の手と同じように、あったかいと思った。



「覚えてますかランさん。
あの日、俺に、胡蝶蘭くれたんすよ。
花言葉は…"幸福が飛んでくる"」


そう…あの時俺は…
場地さんとランさんの幸福を祈った。



今日、千冬が持ってきた花は白い胡蝶蘭で、
ランが持ってきた花もピンクの胡蝶蘭だった。




「場地さんは昔から…
ランさんと東マンの幸福を望んでましたよ。
だからランさんは、絶対に幸せにならないとダメです。」



そう言って優しく笑う千冬に
ランはハッとする。


千冬の揺れる瞳は、
あの頃の場地にそっくりだと思った。
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