第21章 rise*
しばらくランさんが何冊もの参考書の説明などを場地さんにして、軽く勉強を教えていた。
場地さんはどういうわけかマジで1年留年していた。
つまり俺と同じ1年生だが、本当はランさんと同じ2年生というわけだ。
で、こん時からもうすでに俺は気付いてしまった。
場地さんて……
ランさんのことぜってー好きじゃん!!
俺は昔から人間観察が得意な方だ。
表情や仕草、声色や顔色、その他もろもろで、
その人が何を考えているのか大抵わかる。
場地さんはランさんに確実に惚れている。
でも、ランさんはきっと他に想い人がいるのか、はたまた恋愛には無頓着なのか…
場地さんは片思いなんだな…そう思った。
「あ〜もうっ!なんっでまたそこ間違えるかなー!
なんか頭使ったらお腹すいてきちゃったわ。
ペヤング食べよーっと」
「な?!それは俺のために買ってきたやつだろ?!
どら焼きあるから待ってろ!」
「え?!マジ?!やったあ〜!!
圭介のくれるどら焼きほんっと美味しいんだよね!」
そう。こうしてランさん用に
常にどら焼きまでストックしている始末だ。
この場地さんが……
いろいろ意外すぎてちょっと笑えた。