第21章 rise*
場地さんの差し出す麦茶を一気飲みしたあと、
俺の事を上から下までジロジロと見て
「名前は?」
と言った。
「あ…松野千冬…です…」
「ちふゆ?……へぇ…可愛い名前だね」
「え……」
「こいつは月乃ランっつって、俺と同じ創設メンバーの一人で東マンの相談役兼取締役なんだ。あと、昔っから東マンの男以外はみぃんな敵で、俺か総長マイキーが認めた男としか喋んねぇどころか、殺しちまうから」
「えっ?!」
場地さんのサラッと言った説明に唖然とする。
この人が東マン創設メンバーで幹部?!
女の子なのに?!?!
でもよく見ると…卍の入れ墨あるし…
てか男みんな敵で殺しちゃうとかなんだよ!
そんな強えーの?!
「東マンに入りたいってゆーけどさぁ…
千冬、あんたは仲間のために命を張れる覚悟はあるの?」
「……え…」
ランさんの真剣な瞳が真っ直ぐ突き刺さる。
「仲間1人がやられたら全員で命を懸けても守る。
あんたにはその覚悟があんのかって聞いてんだよ」
"東マンは仲間が1人やられたら全力でそのチームぶっ潰しに行く。覚えとけ!
こいつは俺の仲間だ。
今度手ぇ出したらチーム丸ごとぶっ潰すぞ!!"
場地さんの言葉を思い出して、
俺は気が付くと力強く返事をしていた。
「そっか。じゃー圭介んとこの壱番隊でいーよね?」
「おう!よろしくな〜千冬ぅ〜」
上機嫌な場地さんに肩に腕を回される。
え…こんなあっさり?
のちのち聞いた話では、
隊の編成など、細かいことも全部ランさんが担っているらしい。