第21章 rise*
場地さんと一緒にペヤングを食い終わった頃、ピンポーンとチャイムの音がした。
場地さんがドアを開けると、赤スカーフに制服姿の他校の女の子。
「よお、ランどしたー?」
「ほら、国語と数学の参考書!
メールで言ってたやつ持ってきたんだよ!
あとペヤングも持ってきた〜
こないだごちそうになっちゃったから!」
「マジかよ!もっと早く来いやぁ〜
たった今、1つを半分こにして食ったとこだったんだぞ〜」
「はぁ?誰と?」
「あいつ」
そう言って場地さんは俺を親指で指した。
ようやく俺の存在に気が付いたランさんは、視線がかち合った瞬間、一気に目の色を変え、更には纏うオーラまで変えた。
敵意を剥き出しにし、まるで別人のように冷たく険しい雰囲気になったので、俺はついビクッと鼓動が跳ねた。
「じゃ、私帰るわ」
「ちょちょっと待て!なんでだよ!寄ってけよ!」
「いいっ!」
「大丈夫だって!あいつは敵じゃねぇ!
俺の仲間だ!東マンに入りてぇんだとよ!」
え?!
俺そんなこと一言も言ってないんだけど?!
しかしその言葉でランさんは殺気を消し、肩の力を抜いた。
「な〜んだ。そうなの。
まぁ圭介の仲良しなら、ま、いっか。」
そう言って部屋に上がり込んできて、
参考書の類とペヤングをドンッ!とテーブルに置いた。