第21章 rise*
この2人との出会いは今でも鮮明に覚えてる。
そのくらい、いろいろ衝撃だった。
初めて会った時の場地さんはヤバかった。
髪をベッタリまとめて眼鏡をかけてたくさんの参考書を机に置いて勉強してて…本当にただのだっせえガリ勉だと思ってた。
1年ダブってる奴がいるとか聞いたから喧嘩売ろうと思ってたけど、あまりの想像とかけ離れた姿に、俺の喧嘩の意欲は削がれた。
場地さんは誰かへの手紙をしょっちゅう書いてて…
俺はよく漢字の間違いを教えてあげてた。
今思えばあれは、全部
少年院にいる一虎くんへの手紙だった。
喧嘩が強い俺は入学早々片っ端から上の学年をやっつけてた。
なぜなら俺は、自分が一番じゃないと気が済まない男だし、敬語を使いたくねぇから。
だけど…
ある日、俺のことを嗅ぎつけた20人の暴走族連中が喧嘩をしかけてきて半ばリンチされた。
そんなときに突然現れたのが場地さんだった。
「1人に多数。さらに武器はダサすぎねぇ?!」
「あ?!なんだてめぇ!」
「ガリ勉?!」
「あ!手紙無事だせたわ!ありがとな!
お礼に俺も付き合うぜ〜」
「ばかっ!てめぇの出る幕じゃっ」
ドン!!!!
なんと場地さんは一撃で近くにいた奴をやっつけてしまった。