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progress ~東リべ卍~R18~

第21章 rise*



「ごめんね…圭介…っ…
私…圭介のこと守るって誓ってたのに…」


全部知ってたのに…
私はなんにも出来なかった。

なんて無力だったんだろう。

せっかくタケミチが話してくれたのに
私は……役立たずだった…



「千冬…ごめんね…」


「っえ…?…いや… ランさんの謝ることではないです。なんにも出来なかったのは俺ですから。」


場地さんは…
俺の腕の中で逝ってしまった。笑顔で…。


「まだ…っ、場地さんの温もりが…
この腕の中に残ってて……
なんかまだ…現実味がないんす…っ…」


涙をこぼす千冬の手をランが握り、
しばらく2人でただ泣いていた。

冬の訪れを感じさせるような冷たい風が
追い打ちをかけるように悲しみと後悔を深めた。


「ねぇ……圭介がよくくれたどら焼き…どこのかな…」


「……さぁ…」


「また…食べたいな……聞いとけばよかった…」


そう言って、ワッと泣き出すランを横目に、千冬は心の中で謝った。



ごめんなさいランさん…。


ホントは俺、知ってます。
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