第20章 rage
「俺は場地と残る…みんな行ってくれ」
そう言ったのは一虎だった。
「俺の起こしたことだ。
自分でケジメをつけたい…」
少しの沈黙の後、万次郎がわかったと言ってくるりと背を向けた。
「マイキー…許してくれなんて言えねぇ。
真一郎くんのことも、場地のことも…
一生背負って生きていく…」
そう言って一虎は頭を下げたが、万次郎は何も返さず、振り返ることなくランに言った。
「行くぞ、ラン」
しかしランは泣きじゃくりながら場地の手を離さない。
「ラン、行こう」
三ツ谷がランの両肩に手を置く。
「やだぁ…っ…」
「ラン」
「やだぁぁああ!!うぁぁあああん!」
手を握ったまま場地の体にしがみつき
掠れた声で泣き叫ぶ。
とめどなく流れる涙が、
冷たい場地の首筋に落ちていく。
三ツ谷が無理矢理ランを抱えようとした時、一虎が場地とランの手に自身の手を重ねた。
「…っ……」
重なった手に僅かな温度を感じる。