第20章 rage
タケミチが脱ぎ捨てた上着のそばに落ちているものを、万次郎がゆっくりと拾った。
「タケミっち…このお守りを…どこで…」
「集会の時…神社で拾ったんですよ…」
「!お守り?」
「それって!」
ドラケンや三ツ谷も近付いてきた。
ランは、場地の手を握ったまま、その手が無意識に震え出した。
「場地…ずっと…持ってたのか…?
"あの日"のお守りだ…」
"俺らの全てをお前に預ける。
時代を創れ、マイキー"
中一のあの日…7人で神社で決意を交わした
その時の映像が蘇る。
「東マンを創ったのは俺じゃない。場地だ。
誰かが傷ついたら皆で守る…
一人一人が皆を守るチームにしたい…
そうやってできたチームだったな…」
万次郎の目から涙がこぼれ落ちて行った。
「場地くんはずっと1人で戦ってたんすね…
その日の約束を守るために…っ…」
タケミチも千冬も三ツ谷もドラケンも、
そして一虎も…
涙を流しながら場地を見つめる。
「ごめんな…場地…」
万次郎が呟いたのと同時に、
パトカーのサイレン音が聞こえてきた。