第20章 rage
「あ"あ"ああぁぁぁあああ!!!!」
「う…そだよ…嘘だよね?…圭介…?ねぇ…」
千冬が泣き叫ぶ中、ランは憔悴したように涙を流したまま動かなくなってしまった。
「タケミっち…やっぱり場地さんは東マンを裏切ってなんかなかった…1人で戦ってたんだ!俺はそれを分かってたのに…分かってたのに…守れなかった!救えなかった!!」
「ごめん場地くん…っ…」
(くそ!くそ!くそ!!
何も出来なかった!俺は馬鹿だ!!最低だ!!)
場地が死んだことによって、万次郎はまた一虎を殴り始めた。
「殺す!殺す!嬲り殺してやる!!」
バッとそこに立ちはだかったのはタケミチだった。
「どけ…てめぇも殺すぞ」
「もうやめましょう!マイキーくん!」
ドンッ!!
万次郎の蹴りを食らったが、タケミチは叫ぶ。
「場地くんはこんなこと望んでねぇよ!!」
"マイキーを、東マンを、お前に託す"
場地のその言葉が力強く脳裏に焼き付いていた。
「てめぇが場地を語んじゃねぇよ」
「場地を語んな?
死んじまったんだぞ場地くんは!!!」
そう叫んでバッと上着を脱ぎ捨てた。
「なんでわかんねぇんだよ?!
場地くんがなんのために死んだと思ってんだよ?!
2人の…東マンのためだろ?!
場地くんは一虎くんに殺されるんじゃなくて自決することを選んだんだ!!
場地くんは一虎くんに負い目を感じてほしくなかったから!!
マイキーくんに一虎くんを許してほしかったから!!
皆が大好きだからその決断をしたんだってなんでわかんねぇんだよ!!」
静寂の中で、ただただタケミチの泣き叫ぶ声が響いていた。