• テキストサイズ

progress ~東リべ卍~R18~

第20章 rage



「いよいよだな…幻覚まで見えてきやがった…」


場地には今、自分を覗き込んでいるタケミチの顔に、真一郎の顔が薄らと重なって見えていた。


「タケミチ…お前はどこか…真一郎くんに似てる」


「っ…え…」


「マイキーを…東マンを…お前に託す…」


「ダメだよ場地くんっ…そんな事言わないで!
死んじゃだめだ…っ」


泣きじゃくるタケミチに、
場地はうっすら笑った。


「千冬…タケミチ…
できれば… ランのことも……頼む…
あいつのことが…一番心残りなんだ…」


その瞬間、タケミチが急いで立ち上がり、膝をついて茫然としているランを引っ張った。


「ランさん!早く!」


よろよろと立ち上がったランは
タケミチによって場地の元に跪いた。


「は……ラン…なんつー顔してんだよ…」


「けい…すけ…」


ランの歪んだ表情を見て場地は息絶え絶えに笑っている。
その顔にランの涙が零れ落ちた。


「約束…守れなくてごめんな」


「やだ…守ってよ!破ったら許さない!」


「ふ……幸せになれよ… ラン」


「や、やだあ!圭介いないと幸せになれないよ!」


そう言って場地の血だらけの手を強く握る。


「なれる。七転び八起きだろ」


「っ!!圭介ぇぇっ!」


ランの涙がボタボタと場地を濡らしていく。
/ 996ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp