第20章 rage
「もう誰もマイキーを止められねぇ…」
「ま、マイキーく…」
"なんで俺は気付いてやれなかったんだろう。
まだ15歳のガキの背負ったデケェ十字架を…"
"あの日マイキーは一虎を殺した"
タケミチの脳裏で、未来のドラケンの言葉が反芻された。
もうこれは…
俺のいた未来に向かっちまってる…
俺はっ…俺は……
「なんて無力なんだ…!!」
「場地さん…っ…救急車まだかよ…くそ!」
千冬の涙が場地にかかる。
血が溢れる場地の傷口を、ランが羽織りを脱いで懸命に押さえるが、もう手遅れかもしれないほどにどんどん場地の顔色と鼓動が悪くなっていることに気が付いていた。
「圭介…お願い…まだ耐えてっ…」
「うっ…うぅ…ランさんっ…」
「落ち着いて千冬…っ!
圭介は…圭介はそんな簡単に死なない。
だって私と…約束したもん…」
"一人一人が皆のために命を張れる
そんなチームにしたい"
そう言っていた圭介に
私はこう言ったんだ…
"でも…圭介…。
私ね、圭介には生きててほしいよ。というか、皆に生きてて欲しいの。だから…何があっても、死なないで?"
そしたら…
圭介は笑って約束してくれたよ?
ゆびきりもしたよ?
覚えてるでしょ…