第20章 rage
「へぇー、お前らも稀咲を?」
「はい。一緒に闘わせてください!」
ガッ!!
ゴッ!!
「なんで…1人でやる必要ないじゃないですか!」
自分たちを殴ってまで止めてくる場地の無の表情に2人は怯む。
場地は何も言わずにスっと真横を通り過ぎていってしまった。
「マイキーとランを頼む」
「…!!」
背後の場地から、確かにそう聞こえた。
「さて…
参番隊50人 VS 俺。
上等、上等!」
「いくら場地くんでも、50 VS 1 は…」
しかし場地はみるみる敵を殴り倒していく。
「うぉっ?!つ、つえぇ!一瞬で4人も?!」
「舐めんなよタケミっち。
場地さんは稀咲をやるって言ったろ?
あの人はできねー約束しねぇんだよ!」
あっという間に稀咲に辿り着いた場地に、ランも目を見張る。
「稀咲ぃ、チェックメイトだ!」
「…っ!…やれるもんならやってみろ!」
ガタッ…ー
「圭介っ?!」
「くそ…ここまでか…」
場地がその場で崩れてしまった。
ランは急いで駆け寄り、場地の上半身を抱き起こす。
「圭介!!圭介!!」
どういうこと?!
さっき遠くで一虎が見えたけど、
あの時やっぱり一虎が何かしたってこと?
でも圭介は普通に戦っ…
ハッとした。
「血…血が……」
よく見ると、
大量の生暖かい血がみるみる自分の手を染めていた。