第20章 rage
「上等だよ、稀咲」
立ち上がった場地の前に手を広げて立ちはだかったのは千冬だった。
「なんの真似だ?退けよ千冬ぅ」
「場地さんダメっすよ!
今ここで稀咲を殺るのはマイキーくんを裏切ることです!東マンのために稀咲を殺るなら今じゃない!」
ガンッ!!!!
棒で殴られた千冬は倒れた。
「いい気になんなよ千冬ぅぅ!!
てめーを俺の横に置いたのは喧嘩の腕を買っただけ。てめーの考えなんてどうでもいいんだよ」
「俺は壱番隊副隊長!!
場地さんを守るためにここにいる!!」
千冬は大声で叫んで立ち上がった。
「どーしてもこの先に行くなら
俺も容赦しねえぞ!!」
「やってみろ。10秒やる。
10...9...8...7...6...どーした?容赦しねーんじゃなかったのか?殺さねーと止まんねぇぞ俺は。
4...3....2...1……ゼロ。」
「うおおおおおおお!!!」
突然真横から来たタケミチが場地にしがみついた。
「タケミっち?!」
「千冬!!一緒に場地くん止めんぞ!!
早く!千冬!!」
「……ダメだ…タケミっち…」
「え?」
千冬はそこから1歩も動けず
ただ涙を流していた。
「俺は…場地さんを殴れねぇ…」
「は?!何言ってんだよ千冬!!」
ゴッ!!
場地の肘が落とされ、タケミチの意識が遠のきそうになる。