第20章 rage
「つがいごと大将首とったぞオラァア!!!」
丁次が武器を振りかざした瞬間、
突然現れた稀咲がドガっと勢いよく吹っ飛ばした。
「東京卍會、参番隊隊長 稀咲鉄太。
大将はうちの隊が責任持って守らせてもらう!」
三ツ谷 「へーやるじゃん稀咲」
千冬 「チッ。総長にでもなる気かよ?」
「あいつ2人を守ったぞ!!」
「稀咲すげぇー!!」
「新入りがいきなり大活躍じゃん!!」
歓声が飛び交う中、
タケミチの鼓動は速くなっていた。
そうか!稀咲は…この抗争で
東マンが勝とうが負けようがどっちでも良かったんだ!
東マンが負けたらバルハラとして吸収。
東マンが勝ったらこうやって活躍して成り上がって…
この抗争がどっちに転んでも
東マンを乗っ取れる計算だったんだ!!
クソっ!!なんなんだよコイツ!!
知らないうちに結局こいつの手の中!!
「あ…ありがとう…稀咲…」
ランは危機一髪のところで助けてくれた稀咲に一応礼を述べる。
「いいえ。」
にっこり笑う稀咲に、タケミチと話していた稀咲に対する思惑を考える余裕が今のランにはなかった。
なにしろ、稀咲が助けてくれなかったら、自分ごと万次郎は殺られていたかもしれないからだ。