第20章 rage
全員をなんとか叩きのめしたところで、
黒マスクの男が目の前に立ち塞がった。
「次の相手は俺だ。月乃ラン」
「はぁ…はぁ…お前は確か…丁次…!」
バルハラ幹部の黒マスク。
丁次は驚いたように目を見開いた。
「まだ会うの2度目なのに、俺の名前知ってんのか。
へぇ…流石だなぁ…。
でもすげー疲れてんなぁ。ふっ」
ランは何十人も1人で相手していたため、流石に息が切れてきていた。
「セコいんだよお前ら。武器なんか持ちやがって」
「ウチらは女にも容赦ねぇからな!
行くぞおらぁぁあああっ!!!」
ブンブンと振り回す棒を瞬時に避けながら攻撃を飛ばしていく。
「チッ、てめぇホントに女かよ」
「女じゃねぇよ!」
「あぁ?」
ドゴッ!!
ザシュッ!!
「くそ!ちょこまかうぜぇ!」
ランの俊敏な動きとガードになかなか攻撃が当たらない。
しかし、丁次が突き刺すように棒を放った瞬間、それを避けるランを狙って蹴りを飛ばし、ランはすっ飛んで行った。
踏みつけるように何度も丁次の蹴りが飛ぶ。
「ランさん!!」
「っ!!くっそ…あいつっ!」
「ラン1人に何人当ててんだよ」
タケミチの声に、三ツ谷やドラケンも反応する。
しかし、到底近寄れないほど自分たちにも敵がまとわりついている。
「っく……」
「うわ…まだやれんのかよ…」
ランは足を振り払い、
ふらつきながらも、なんとかまた応戦体勢に入った。