第20章 rage
「くそ…っ…圭介どこなの?
どっか隠れてんの?」
走り回っているランに、そこかしこからバルハラが集まってくる。
「おおっ?
お姫様来たぁぁあっ!!」
「全員かかれぇぇえ!!!」
「あぁーっ!もう!
こいつらに構ってる暇なんてないのにぃいー!!」
バシュ!!
ドガっ!!
ドンッ!!
「マジかよっ!」
「噂以上だな」
「モノホンだぁあ」
目にも留まらぬ速さの瞬発力と、女とは思えない攻撃力に、周囲は冷や汗をかきながらも10人以上で応戦している。
「流石に女1人にこの人数つけるなんて、半間さん鬼だと思ってたけど…」
「ああ…むしろもうちょい連れてこねぇと!おーい!てめぇらとっとと片付けてこっち来い!!」
徐々に人数が増えてきてしまった。
ランのイライラが最高潮に達する。
ゴキッ!
「あ"ぁ"あぁあー!!!」
「あ、ごめん…!」
1人の骨を折ってしまった。
「うそだろ…」
「マジ…っ?」
一気に怖気付いた男らに、半間の声が飛んできた。
「てめぇら!!何やってんだ!!
ビビってんじゃねえぞ!!
逃げたら殺すっつったよなあ?!」
「いっ、行けええええぇぇ!!!」
「おらぁぁあああっ!!!」
「チッ…なんでこんなにいんだよ!」
ここを切り抜けなくては場地を探せない。
完全にキレたランは顔に血を浴びながら応戦していた。