第20章 rage
「立て!タケミっち」
「三ツ谷くん、助かったっす!」
「馬鹿野郎!てめぇ何しにここ来たんだ?!
今ぁ俺ら喧嘩してんだぞ?!
てめぇも弐番隊の隊員だろーが!!
よそ見してんじゃねーぞ!!」
どがっ!!
バコッ!!
喋りながらも敵を殴り倒している。
そうだ…
ここでやられちゃったら何もできねぇじゃんか!
目の前の敵に集中しねぇと!!
って…
待て待て待て待て
目の前の敵?
底辺の…俺が…?
本物の不良と喧嘩?!
無理だ!!怖ぇええ!!
「ビビってんのか?」
「!」
「目の前の敵だけ見てろ、相棒。」
「…千冬!」
「背中は俺が守ってやる!」
気がつくと、背後に千冬がいた。
「喧嘩にビビんねぇ奴なんていねぇよ。
大事なのはさぁ、どう向き合うかだ!」
その時タケミチの脳裏に日向の笑顔が浮かんだ。
「…だぁぁああ!!やってやるぞバカヤロー!!」
やらなきゃ…!
ここを乗り越えなきゃ…!
最悪の未来を変えないと!!