第19章 redress
「お前っ…マジで何がしてぇんだよ…」
「私は圭介を守りたい」
「はぁ?」
「明後日、私が圭介を絶対守るからね」
「っ…わけわかんねぇこと言うなっ」
場地はランを抱き締めたい衝動をグッと堪えながら押し剥がした。
離れたランが切なげに見上げてくる。
その表情に、とんでもなく鼓動が煩くなる。
「っくそ…そんな顔で見るな…
何度言わせんだよ馬鹿野郎…」
(俺がどれほどこらえてると思ってんだ)
ギュッと目をつぶって歯を食いしばる。
「ぜっったいに死なせないから!」
そう言ってランは離れ、決意の籠った瞳で場地を見上げた。
「約束、したもんね!」
「……お前こそ死ぬなよ。他人の心配より自分の心配しろ。いくらお前が強くたってな、バルハラの奴らは女にも容赦ねぇぞ」
「…わかってる。」
視線を落とすと、場地の手首のミサンガが見えた。
(まだちゃんとしてくれてる…)
2人同時にバイクの方へと歩き出す。