第19章 redress
"私ね、圭介には生きててほしいよ。というか、皆に生きてて欲しいの。だから…何があっても、死なないで?"
"ばーか。俺はお前残して死なねーよ!
俺はランのこと……いや、なんでもねぇ。"
"じゃあ圭介、約束しよ!何があっても私残して死なないって。ゆびきりね!"
"ふっ。おーけー。ゆびきりな!お前も夢叶えるまで、俺残して、ぜってー死ぬなよ!まぁ俺が死ぬ気で守るけどな!"
「もう1回、ゆびきりして。圭介」
「あ?なんだそりゃ。
俺はお前の敵なんだぞ」
「違う。圭介は私の仲間だよ。ずっと。
圭介の代わりなんて、誰もいないの」
その言葉に、場地の鼓動が跳ねた。
場地はわざと呆れたようにため息を吐き、
差し出された小指に小指を絡めた。
なにやってんだか俺…
と半ば自分に呆れながらも。
ランは場地を見ていると、いてもたってもいられなくなり、小指が離れるのと同時に場地に思い切り抱きついた。
「っ…?!…はぁ?!なにしてんだバカ!離れろ!」
「やだ…」
この温もりが最後になりませんようにと
精一杯祈りを込めて場地を抱き締める。
「お前ぇ……三ツ谷に殺されんぞ。」
「・・・」
何も言わずに離れないランに、場地は狼狽する。