第19章 redress
「こんな夜遅くにふらふらしてんじゃねーよ。
もう0時過ぎてんだぞ」
「あー、もうそんな時間かぁ!」
タケミチと長話をしていたのですっかり時間を忘れていた。
場地はさすがにこの時間なら誰にも会わないだろうと思っていたに違いない。
「あのさ…圭介…」
「なんだ。いくら止めても無駄だぞ」
「違うよ。それはもう…諦めたから…」
その言葉に、場地はどこか悲しそうに目を逸らした。
「ただ……明後日…死なないで。絶対に。」
場地を見ていると、そう言わずにはいられなかった。
しかし場地はランに視線を移すと、当然不機嫌な顔をした。
「はぁ?なんだそれ。てめぇナメてんのか?」
「とにかく!死なないで!お願い!」
真剣なその表情と、月明かりに照らされてキラキラと光る潤んだ瞳に、場地の表情が変わる。
「……お前さ…昔俺とした約束、覚えてる?」
「……うん。覚えてるよ…」
昔、海で初めてゆびきりを交わした、
あの約束を思い出す。