第19章 redress
「えぇっと……
これって演劇か何かの練習かな?」
「ち、違うんです!本当のことなんです!」
真剣にそう言い放つタケミチの真摯な瞳を見つめていると、ランはだんだん大真面目に言っているのだろうとなんの根拠もないのに不思議とそう思えてきた。
「……そっか。わかった。信じるよ」
意外にもあっさりそう言ってくれたので逆にタケミチは驚いてしまった。
けれど、この人なら信じてくれるだろうと思って打ち明けたことだったから素直に安堵した。
深く深呼吸し、思い切ってもう一度口を開いた。
「10月31日…明後日のバルハラとの抗争で…
場地くんと一虎くんが死にます。」
ランの目がこれでもかというほど大きく見開かれた。
「場地くんを殺した一虎くんを、
マイキーくんが殺すんです。」
「……っ…!!
ちょ…と…ま、待って…
なにそれ…?」
怯えたように狼狽しているランを見て、本当に信じてくれたんだなとタケミチは少し安堵した。
「なにそれって俺も思いましたよ。
でも、本当なんです。
未来のドラケンくんと、ランさん、あなたがそう言ってたんですよ」
「?!?!」
ランは驚愕の表情で固まった。