第19章 redress
「さささすがに上司の彼女に手ぇ出しませんよ!!」
壱番隊隊長の三ツ谷は、今では壱番隊隊員タケミチの直属の上司だ。
「それに!三ツ谷くんと付き合ってることは知ってますよ!」
「えっ、うそ…なんで知ってるの?」
「確かドラケンくんが言ってましたし、それに二人がいい感じなのは初めから分かってましたよ。き、キスだってしてたし」
ランはハッとなって手で口を塞いだ。
そういえばそうだった。
あのとき、目の前にタケミチいたんだった…
「あれ…話がどんどん脱線してる!
ランさんとにかく!したい話はこんな事じゃないんですよ!」
「っあ!あぁそうだったね。
なんだったっけ?」
「いや…まだ何も言ってません…」
「あは!そうだったっけ。
で、深刻な顔してどうしたの?
もしかしてヒナちゃんとなんかあった?」
その言葉に首を振る。
今度こそ話が脱線しないように、
意を決して急いで口を開いた。
「実は俺!!
未来から来たんです!!!」
「・・・」
「・・・」
暗い夜の公園に静寂が訪れた。
ランはポカンとした表情をしている。
まぁ当然の反応だろうとタケミチは思ったが、
次にどう出ていいか、分からなくなってしまった。