第19章 redress
「聞いてくれますか?ランさん。」
「うん?なに?」
「ランさんにだけ…聞いてほしいことがあるんです。ちょっと…ていうかかなりおかしな話かもしれないんですけど…全部本当のことで…」
躊躇いがちに目を伏せるタケミチに、
ランは優しく笑った。
「東マンメンバーのことなら、どんなことでもなんでも聞くよ?大切な仲間だもん!」
そう言ってタケミチをベンチに座らせ、ランも横に腰かける。
思いがけない言葉と優しさに、タケミチは早くも涙腺が緩みそうになった。
「実は…俺……」
チラと横目でランを見ると、月光に照らされてキラキラと光る瞳とスカーフの金の刺繍が目に入り、どこか妖艶なその姿にドキリと鼓動が跳ねた。
「ん?え…もしかして……告白?!」
ランはMYバイブルのシチュエーションを思い出し、つい声を大きくしてたちまち慌て出す。
「やっ、やだタケミチ、ちょちょっと待って!!
私ね!実は、た、隆っ…あ、三ツ谷くんと付き合っててね!だから申し訳ないんだけどっ」
「ちちちち違いますよランさん!!」
「っ……え?」
タケミチは顔を真っ赤にしながらランよりも慌て出した。