第19章 redress
「あの… ランさん…」
突然タケミチの笑みが消え、深刻な表情になったのでランは首を傾げる。
「…どうかしたの?」
タケミチは、ランの顔を見るたびに、何度も何度も葛藤していた。
未来のことを…相談していいか否か。
"なんかあれば、ランに連絡しろ。
あいつはどんなことでも相談乗ってくれるよ。
だてに東マンの相談役やってるわけじゃねぇからな"
ドラケンくんの言葉。
"お前も、何かあんならランに相談しろよ。あいつはきっとどんなことでもちゃんと力になってくれるぞ"
三ツ谷くんの言葉。
"なんでも相談して。
私は東マンの相談役兼取締役だから。"
ランさん本人の言葉。
その言葉たちと、ランさんになんでも相談している東マンメンバー皆の姿、そしてそれを真剣に聞きアドバイスしているランさんの姿…
それを反芻する度に、ずっとずっと今まで葛藤してきた。
先日戻った未来で、悔しそうに何かを後悔していた大人のランさんを見て、俺はやっぱり……
ランさんになら…
ランさんならば…
わかってくれそうな気がした。
信じてくれそうな気がした。
いや…たとえ信じてもらえなくても…
きっと俺はとっくにいっぱいいっぱいで…
心が張り裂けそうなほど切羽詰まってて…
誰かに聞いて欲しいだけなのかもしれない…
けど……