第19章 redress
バイクを走らせながら、ランはハッと重大なことを思い出した。
「私…タケミチにまだミサンガ渡してないじゃん!」
タケミチがバルハラのアジトに連れていかれたあの日、そもそもそれ目的でタケミチを捜していたのに…
あのあといろいろありすぎてすっかり忘れていた!
「まだ10:30だし…不良なら余裕で起きてるよね」
そう呟きながらタケミチに電話をかけた。
案の定、余裕で起きていたようで、
ランがタケミチの家の近く、指定された公園までいくと、タケミチは先にいた。
突然のランからの呼び出しにかなり怯えたような態度で礼儀正しくお辞儀をしてきた。
「あっ!別に説教とかじゃないから!
こんな時間に呼び出してごめんね!」
「いえっ!ぜんっぜん大丈夫っすけどっ…
どうかしたんすか?」
ランはタケミチにミサンガを差し出した。
「これ、渡そうと思っててね、
すっかり忘れてたんだ。
渡してないのはあとタケミチだけだったから」
タケミチはそれを受け取り目を輝かせた。
「わぁ…すっげー細けぇ作り…
ありがとうございますっ!
もしかしてこれ東マン全員おそろいなんすか?」
「うん!」
笑顔で頷くと、タケミチも嬉しそうに笑って、それを腕につけた。