第18章 rapport
「今日はありがとな、ラン。」
家に着いてから、ルナマナとお別れの挨拶をして、ランのバイクの停めてある場所で2人きりになる。
もう夕方になっていた。
「えっ?こちらこそだよー!
すっごく楽しかったよ!
私がただ最初から最後まで皆のこと連れ回して騒いでただけだったけどね!」
はははっと笑って、バイクにぬいぐるみやら菓子やらの袋を下げるランに、三ツ谷は頬を緩める。
「いや。ランがいつも笑顔で元気だから、周りもみんな楽しいんだ。すげぇパワーもらえるし。」
夕陽のオレンジの光が眩しくて
そしてそれをバックに佇んでいるランが眩しくて、なんだか別世界のものにすら見えてしまった。
「俺のそばに… ランがいてくれて良かった。」
優しく微笑まれ、ランの頬が染まる。
夕陽があってよかったと思った。
「っ…そんな、何言って…
それは私の」
「ありがとな。」
染まった頬にスっと三ツ谷の手が触れた。
そう思った瞬間にはキスをされていた。
チュッと音を立てて離れた三ツ谷の頬も、
オレンジ色に染まっていた。
「たか…しっ」
「えっ」
ガバッと一瞬で抱きついてきたランに三ツ谷は困惑する。