第18章 rapport
ランは場地とルナマナの元にしゃがみ込んだ。
チロチロと食べ物を舐めたり齧ったりしている猫たちについ笑みがこぼれた。
「…ふ…かわいい。」
手を伸ばして猫の頭を撫でると、
同時に場地の指に触れてしまった。
「っあ、ごめん」
反射的に手を引っ込めると、
場地は真顔のまま何も言わずにランの手を取り、そのまま猫の頭から背をゆっくりと撫でた。
「あ…」
(圭介…ミサンガしてくれてる…)
場地の手の温もりと、猫のふさっとした暖かさが同時に伝わってきて、なぜだか涙腺が緩みそうになった。
「けい…すけ…」
「あん?」
「……千冬は無事だよ。」
「・・・」
「でもね…元気はないよ。…万次郎も…」
場地の手が止まり、その拍子でランの手も止まった。
手が重なったまま、沈黙が流れ、そして場地が小さく息を吐いたのがわかった。
「…ねぇ圭介は…本当は…なにがしたいの?」
「……わけわかんねぇこと聞くんじゃねぇよ」
「一虎ぁ……本当にやんのか。」
ランと場地を一瞥してから
そう声を出したのは三ツ谷だった。
「あ?」
一虎の眉がピクリと動き
わざとらしく首を傾げている。
「俺は…お前らとはやり合いたくねぇぞ」
「くくっ…なに寝惚けたこと言ってんの三ツ谷」
「俺だけじゃねぇ。マイキーだって、ランだってそうだ。そんくらい分かるだろ」
「ぬりぃ〜なぁ〜。
俺がそんな幼稚な話を受け入れるとでも思ってんの?ハッ、バカか。」
すくっと一虎が立ち上がった。