第18章 rapport
「ふぅー。行ってくれた…。
とりあえずラッキーだな、ルナ、マナ。」
「うん!」
「やったぁ〜!」
「もうっ!悔しいぃ〜っ!
私があんな苦戦したのにいとも簡単に落としやがってぇ!」
本気で悔しがるランに、三ツ谷は苦笑いする。
「こんなことで反抗心出すなよ」
「だってぇぇ〜っ!なんかおかしいよ!
あいつらイカサマしてない?!」
「えー…」
「そういえば前に、ナホヤとソウヤがこーゆーの得意って言ってたな〜」
「はぁ?俺そんなん聞いたことねーけど…」
「よし!今度コツを聞いとこ!
ついでに練習も付き合ってもらお!」
「マジかよ…そこまで?
相変わらず負けず嫌いな奴だな」
でも…相変わらず明るい奴だな…
そう思いながら三ツ谷は、
先程取ってもらった商品に夢中の妹たちとランを引っ張ってゲーセンを出た。
電車に乗って原宿に到着する。
竹下通りはやはり凄い人混みで、
ランはマナと、三ツ谷はルナと手を繋ぎながらはぐれないように慎重に進んで行った。
「はーっ。ようやくクレープの店にとーちゃく…」
「並んでねーじゃん、またもラッキーだな。
お前らどれがいーの?」
「マナ、苺ケーキのやつ〜」
「ルナはバナナチョコ」
「じゃー私あずき抹茶〜」
「みんな重いやついくなぁ…」
「あっ!あとであっちのホットドッグ食べない?」
「食べる食べる!」
「ポップコーンも買ってこ!」
「あのカラフルな飲み物も〜」
「お前ら腹壊すぞ…」
三ツ谷はいつのまにか妹が3人に増えたような気分になっていた。