第18章 rapport
「おいおいおいおい待てよ〜」
引き止められた瞬間、
ついにランは拳を握る。
ルナマナには一切危害が及ばないように
すぐさま臨戦態勢に入った。
「んな身構えんなって。
これが取りたかったんだろ〜?」
そう言って阪泉とツレの男が突然UFOキャッチャーをしだしたので目が点になってしまった。
「…は?」
「なんだこいつら…」
ボソッと三ツ谷が呟いた。
阪泉たちは余裕の表情でドンドン商品を落としていっている。
てか…めちゃくちゃうまいんですけど…
「ほれ、やるよ」
「これもやる。チビたち。」
ぬいぐるみやらお菓子やらを渡されたルナマナは目を輝かせている。
「ちょっ、ちょと…え?なんで…」
「ここ俺らのシマだからよぉ。
こんなんよゆぅー」
「いや、そういうことじゃなくて…」
「こんなんも取れねぇでバルハラに勝てんのぉ?」
「いや、絶対関係ない…」
「とにかくさあ、勝ってくんなきゃこまっから」
「え?」
「気に入らねぇんだよバルハラ。
突然幅きかせてきやがって気色の悪ぃ奴らめ…
期待してるぜ東マン」
そう言ってクルリと背を向け歩いていく阪泉に目を瞬かせてしまった。
これ、願掛けってこと?
意外と良い奴…?
いや、違う。
バルハラが普通じゃないって分かってるんだ。
そんな奴らと…
本当に東マンは戦わなきゃなんないのかな…
圭介もいるのに……