第17章 resolute
「頼むよラン…帰ってくれ…」
誰にも聞こえない声色が耳元で低く響いた。
「は?圭介…私は負けな」
「帰れ…全部台無しになる」
「っ!!」
(台無しって…!
そんなにバルハラに入りたいの?!)
ランは険しい顔のままギリギリと場地と力比べをする。
「放してよ圭介」
「・・・」
「放せって言ってんだよ」
「・・・」
「マジでボコるよ…圭介」
息を切らしながらもカッと目を見開き、
本気のオーラを滾らせているランに
周りも息を飲んで何も言えなくなっている。
半間だけが、「ダリィーなー」とぼやいていた。