第16章 rational
2人きりになってから三ツ谷はランの隣に座り、ランの顔を真顔でのぞき込む。
「・・・」
「・・・」
「あの…なんでそんなに見てくるの?」
「いーじゃん。やっと2人きりなんだし。」
「・・・」
暫しの沈黙の後、ランが気がついたように口を開いた。
「そうだ、隆っ!ルナちゃんマナちゃん待ってるよね!もう帰んないとっ!こんな遅くまで付き合わせてごめん!」
「ん?ああ…まぁ寝かしつけてきたから多分あいつら爆睡中だと思うけど」
「でも帰んないと!」
「じゃー早くそれ食っちゃってくれよ」
「んぁー食べきれない…」
「はぁ?おい残すの禁止だぞ。」
「だってこんな夜中に…太るし…」
「だったらなんでそれ頼んだんだよ、ばか?
とにかく残さず食え。もったいねーだろーが。
ルナたちにもいつも言って聞かせてるんだ。
あいつらはちゃーんと守ってるぞ。」
「うぅ……じゃあ隆も手伝って。」
「はぁ…全くお前は幼児以下か。」
ぶつくさ言いながらも、ランの差し出すフォークにぱくついてくれる三ツ谷に、ランは徐々に笑顔になっていった。