第16章 rational
「俺、幼なじみがいてさ…
しょっちゅう喧嘩ふっかけてきてさ、
その度にボコボコにしてやった。」
ハハッと笑う万次郎を見ながらタケミチは苦笑いする。
「マイキーくんに喧嘩売るなんて、飛んだおバカさん」
「うん。それがさっきお前のこと殴ったやつ。」
「…えっと…2人に殴られたんすけど…
どっちっすか?」
「…壱番隊隊長、場地圭介。」
ハッと息を飲むと、万次郎はうっすら笑った。
「何考えてるかわかんねーだろ?あいつ。」
「はい…なんで殴られたのかもわかんないっす…」
「ハハッ、昔っからそーなんだよ。
眠いってだけですれ違った奴殴るし、腹減ったら車にガソリン撒いて火付けちゃうし」
「へ…へぇ…」
(わかんねぇレベルを遥かに超えてます…)
「とにかくあんな奴でさ…
東マンの創設メンバーなんだ。」
「創設メンバー…?!」
「東マンはさ…中1の時、俺と、ドラケン、三ツ谷、パーちん、場地、それとラン…」
「その6人で?」
「……ああ…。
こいつらが集まって旗揚げしたチームなんだ。」
どこか遠いところを見る目をして万次郎は俯いた。