第16章 rational
ランとしては、万次郎の思惑も分かるのだが、東マンに違った風を入れるのはなんとなく良い気分がしなかった。
けれど…
あのバルハラとぶつかるには仕方がないことだと受け入れた。
「参番隊隊長は稀咲鉄太だ!!
覚えておけ!!」
参番隊隊長任命式を終わる!!
そう言って万次郎は踵を返した。
タケミチはハァハァと呼吸を荒くする。
(最悪だ…!!最悪の展開だ…!!
稀咲が東マンに入って…
しかもいきなり飛び級で隊長?!
なんでこんなことにっ…?!
くそっ…このままじゃまたヒナが…!!)
「何考えてんだか…うちの大将は…」
「うん…私、もう少しいろいろ調べてみようかな」
「…やめとけ。妙なことに巻き込まれるぞ」
「でもバルハラは、」
ドラケンとランが喋っていると、
ガッと音が聞こえ、同時にその方向を見る。
するとそこには…
タケミチに殴られたであろう稀咲のメガネがカツンと音を立てて転がっていくのが目に入り、
そして息を荒らげて拳を握っているタケミチと、冷徹な眼光を見開いている稀咲がいた。