第16章 rational
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「これより!!
東京卍會 参番隊隊長任命式を始める!!」
いつもの集会場所で、特攻服姿のメンバーたちを前にドラケンが声を張り上げる。
「誰が任命されんのかな?」
「ぺーやん?」
「それはねーだろ。」
「ドラケンくん襲ったしなぁ」
「たしかに。じゃー誰?」
こそこそといろいろな思惑が聞こえてくる中、タケミチは1人、私服姿のまま佇んでいた。
(本命不在…?
もしかして俺…いやまさかな…)
「参番隊隊長!!前に出ろ!!」
万次郎の声に、ビクッと肩が上がる。
「行くぞ」
「はい」
後ろからザワザワと声がする。
その方向を見ると、メガネを掛けたガラの悪い男と大柄な男が万次郎の方に向かって歩いていく。
「あいつが参番隊の新隊長?」
「でけぇ方?ちいせぇ方?」
ザワザワとする中、
メガネの男と一瞬目が合った。
あれ…?
見たことある気が…
誰だっけ?