第15章 relent*
ランさんがいなくなったら、
それだけで東マンはいろいろ機能しなくなるんじゃ…!
「とにかくさ…
私にはもう東マンと関わりはないから。
あの日から…圭介だって一虎だって…」
そこで言葉を濁し、背を背けた。
圭介…?
一虎…?
誰のことだ?
タケミチにはそれが誰のことなのか
まだわかっていなかった。
「「せんせーっ!!!」」
その時、道場の奥からランを呼ぶ子供たちの声がした。
「じゃあね、タケミチ。
あんたもさ、頑張って忘れなよ。
"あの時" のことも。」
ランは振り返らずにそう言って
道場の中へと入っていってしまった。