第15章 relent*
「じゃ、じゃあ!他のみんなは?!
っあ!三ツ谷くんとか!!」
そうだ。ランさんは確かあの頃、
三ツ谷くんと付き合っていたはずだ。
「……隆…か…。なんだか懐かしいね」
「え…?」
「どこかで生きてるといいけど…
どこで何してるかなんて知らないよ。
まだ東マンにいるんじゃないの?
でも関わらない方がいいと思うけど。」
どこか切なげに目を細めて笑うランに目を見張る。
なにがどうなるとここまで変わってしまうんだ?!
だってランさんは…
「あの……どういうことですか。
ランさんは東マンの創設メンバーだったし、チームまとめあげてたし、皆とも仲良かったのに何も知らないって…」
「思い出したくないの。もう関わりたくないし。
悪いけど帰って。力になれないから。」
「じゃあ最後に一つだけ!!
稀咲…稀咲鉄太をご存知ですか?!」
その言葉に、初めてランの表情が変わった。
目を見開いて眉をひそめだした。
「稀咲…ね…。
私あの人に…万次郎のことは任せとけって言われたの。
私は隆だけじゃなくて、万次郎にも捨てられた。
稀咲に…大切な人みんなとられちゃった。
血のハロウィンの日に…」
血のハロウィン?
て……なんの事だ?
というか…
三ツ谷くんにもマイキーくんにも捨てられた?!
ランさんが?!
それだけはぜってぇありえねぇ!!
なにか裏があるはずだ!!
ランさんを危険な目にあわせたくなかったとか?!
「思えば…あそこでそれに従った私が全部悪かったのかもしれないね。それで私が…東北の高校に行っちゃったから…圭介死んで…私も抜け殻みたいになってて…祖父に強制的に連れ戻されて…。そもそもなにがなんだか…今でも記憶が曖昧なくらい…」
「!?」
圭介って誰だ?!
というか…
ランさんは東京の高校に進学しなかったのか?!
じゃあもうあの頃から既に…
東京を離れて…東マンを離れて…