第15章 relent*
タケミチたちは、ランにも会いに行った。
現代の月乃ランは、
東北の祖父の実家で暮らしていた。
死んだ祖父の小さな道場を1人で継いでいた。
「タケミチ…
随分と久しぶりだね。生きてたんだ。」
大人びたランの妖艶さは増していたが、やはりあの頃の元気そうな面影はなく、どこか表情は冷たかった。
それでも、その存在感と威圧感はすごいと思った。
隣に見知らぬ男(直人)がいるからかもしれない。
12年たった今でも、男は皆敵なのかもしれない。
「で、何か用?」
「はい…あのっ…」
タケミチは、生唾をごくりと飲み込んでから恐る恐る口を開いた。
「マイキー君に会いたいんです。
どこにいるのか教えてください。」
「・・・」
ランは眉一つ動かさずにしばらくタケミチを凝視した後、なんと口角を上げ、笑みを浮かべた。
「知らないよ。そんなこと。」
「…え?」
タケミチは唖然とした。
一番マイキーくんの近くにいて
一番マイキーくんの理解者だったランさんが、現代ではマイキーくんの居場所すら知らない?!