第15章 relent*
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現代での龍宮寺堅は死刑囚になっていた。
「俺は自分のした事を後悔してねぇ。
ここにいるのも当然の報いだ。
東マンがこんなことになっちまったのも…
俺のせいだ。
俺があいつを止められなかったから…」
「あいつ…?」
「東マンか…
ガキの頃は良かったな…
ただチームでかくするって突っ走ってよ。
喧嘩喧嘩で毎日が祭りみてぇで…
東マンは俺の全てだった。
もう1回人生やり直しても、俺は同じ生き方を選ぶ」
面会室にいるドラケンの髪はなく、明るさもない。
でもドラゴンの墨も口調も中身も、何もかもあの時のままだとタケミチは思った。
「けどよ…本当にもう一度人生やり直せるなら…
一つだけやんなきゃいけねえことがある」
「?」
「稀咲を…殺す。」
「?!?!」
タケミチも直人も戦慄した。
稀咲鉄太のこと?!
「タケミチ、東京から離れろ。
殺されかけたんだろ?だからここを訪ねてきた。
稀咲にとって人を殺すのは虫を殺すぐらいの事だ。」
「ち、ちょっと待ってくださいっ!!なんで?!なんで俺が命を狙われるんですか?!」
面会室を去る寸前、ドラケンは振り向かずに答えた。
「……稀咲はマイキーに心酔してた…
でもそれがいつの間にか憎悪に変わってた…
稀咲は…マイキーの大事なもん全てを奪いたいんだよ」