第15章 relent*
ラストスパートをかけるように三ツ谷の腰の揺れが速くなった。
「あっ…んんっ…」
「んっ…は…… ランっ…
ごめんちょい激しくっ、する……耐えて…」
ギュッと抱きしめながら腰を引き寄せられる。
結合部から卑猥な音が鳴り響き、互いの体に汗が滲んだ。
「っは、ぁ…っ…も、ダメだっ…」
「んんっ、いいよ、隆っ…」
その瞬間…
うっ…と短い呻き声が聞こえたかと思えば、三ツ谷の動きがピタリと止まり、肩で呼吸を繰り返していた。
ランも全身で息をしながら目を瞑る。
自分の中からずるりと三ツ谷が出ていったのが分かった。
「俺…さ……お前のこと…
すげえ大事に抱きてぇと思ってたのに…
やっぱ結構ムズかった…悪ぃ…」
「え?そんなことな……すごく優しかったよ?」
「はぁ…いや…マジで平気だった?
俺…正直なにもかも…不安だったんだけど…」
「そんなの…関係ないよ…
だってすごく…幸せだったから…」
それ以上はいらない。
本気でそう思った。
その言葉に、三ツ谷は安堵したように目を細めた。
「… ラン…ありがとな」
女として大事なものを
自分にくれたことがとてつもなく嬉しい。
「え…それは私のセリフ…」
「大事にする…。ランのこと…」
三ツ谷に吸い寄せられるように唇を塞がれて
2人同時にゆっくりと目を閉じた。
言葉で言い表せない感情が迫ってきて、
互いに胸がいっぱいになっていた。
「私たち、また1つ大人になっちゃったね」
「だな…」
照れたように笑うランに
三ツ谷も幸せそうに笑った。