第4章 receive
場地の後ろに乗っている万次郎は風に吹かれながら気持ちよさげに言った。
「いーなー。これGSX250Eだろ?」
「おう!ぶっ壊れて捨ててあったのを地道に直したんだ。俺のゴキが東京一だ!」
その時、
「はぁ?東京一?俺のゼファーは日本一だけど?」
ブォンブォンと音を効かせてドラケンが隣に行った。
「おいおいおいおい聞き捨てならねぇなあ?俺のインパルスは世界一だぞ?」
「だよね狭いよみんな?ねぇ三ツ谷くん♪」
今度は三ツ谷とランが隣に並ぶ。
「はいはいはいはい重力圏内で争うなよ。俺のケッチは宇宙一だコラ!」
一虎が見せびらかすように隣に並んだ。
「お"?毛ぇ生えたてのコゾー共が!」
「あ?テメェもな!」
「は?俺は小5からボーボーだぞ?」
「ん!?燃やしてチリ毛にしたろーか!」
「…そーゆー話、私の前でしないでくんなーい?」
「「あ…すいません」」
ランはクスクス笑いながら
「じょーだん。みんな証拠見せてみてよ」
そう言うと、全員唖然とした顔をしたのでまた笑った。
「これもじょーだん。
みんな何その顔!ハハッ変なの〜」
大の男嫌いのランからのこういった発言は、ここにいる者たちのことは受け入れているように感じて皆も顔を見合わせて笑った。
意外にも皆、信号無視はしない。
無免許運転はするのにだ。