第15章 relent*
一虎は今、どんな姿で何をしているだろうか?
確かもう少年院を出てきたはず…。
一虎と唯一ずっと手紙のやり取りを続けていた場地からそれは聞いた。
真一郎を殺した一虎に、正直どういう感情を抱いていいのかわからなかった。
今でも分からない。
でも万次郎は…
多分今でも許せてないんじゃないかと思う。
一虎も…成長したのかな…?
どんなふうに成長しただろう?
あの甘いベビーフェイスで
彼女の1人や2人、きっともういるかもな。
そういえば一虎の中学は、
タケミチと同じ溝中だったはず…。
なにか接触があったり…して…
「うん。やっぱお前は将来、俺のモデルに決定だな。」
そうこうしているうちに採寸は終わったようだ。
ほかの男のことなんか考えている場合ではない。
細かく採寸した内容を書いたメモを、スケッチブックに挟んでいる三ツ谷に、ランはハッとなって声を出した。
「ねえ、隆のスケッチブック、見せてよ。
いろんなデザインいっぱい書いてあるんでしょ?
ずっと見てみたいと思ってたんだよね!」
「えー…」
三ツ谷はスケッチブックを持ったまま苦い顔をした。
「いやなの?」
「嫌っつーか…単純に恥ずかしいんだよ。」
「え?なんでよ?」
「…なんでって…
俺のスケッチブックはお前だらけなんだぞ?」
「へ?!」
その言葉に素っ頓狂な声が出てしまった。
私だらけ…って何?