第15章 relent*
「た、隆…あのさっ」
「んぁ?」
「こんなに隅々まで採寸するの?」
「あたりめーだろーが。にしてもお前、案外細いな。ちゃんと食ってんのか?マイキーみてぇにどら焼きばっか食ってたら成長しねぇぞ。」
「細いなんてなんか嫌だなぁ…か弱い女みたいで…」
普通の女だったら細いなんて言われれば喜ぶのだろうが、ランにとっては全然褒め言葉ではない。
むしろ軽くショックを受けるレベルである。
「隆もみんなもどんどん成長してくのに…私だけ成長してないのかなぁ?やっぱ女だから…かなぁ」
「いやいやランだって、昔とは見違えるくらい成長してってるぜ?とくにバストなんか…」
その言葉に顔が一気に熱くなる。
三ツ谷の視線はまさしく胸に注がれていた。
「へっ変なこと言わないでよ!」
急いで胸を両腕で隠す。
「ハハッ本当だし。
つぅかそれじゃ測れねぇだろ?次、脇下」
「あ…はい…」
おずおずと腕を下ろすと、また採寸が再開された。
真剣な表情の三ツ谷もとてもカッコイイ。
男は喧嘩をしてる時よりも
もしかしたら仕事を熱心にしている時の方がカッコイイのかもしれないなと思った。
でも…多分違うな。
きっと…隆だから何しててもカッコイイ…