第15章 relent*
*
すっかり体調も良くなり退院したランは、三ツ谷のインパルスの後ろに乗ってツーリングをしていた。
今日の三ツ谷もカッコイイなとランは思った。
三ツ谷はデザイナーを目指していてファッションに興味があるせいか、その独特の銀髪に似合うアクセサリーや服をいつも身につけていてとてもオシャレだ。
「なんか…海なんて久しぶりに来たなぁ〜」
「そうだな…中1のあの夏、お前のブラバの後ろに乗ってここ走ったのを思い出すよ。あれ以来乗ってねーな」
「また乗ってよ!!後ろに!!」
「ハハッ、また後ろにかよ」
三ツ谷の背に額を押し付ける。
「でもホントは私…こうして隆のバイクの後ろに乗ってんのが好きなんだ、今でも…。」
だから自分のバイクを手に入れた時、嬉しさと切なさが半々だった。
「俺も…お前が後ろに乗って、そーやってしがみついてくれてんの嬉しかったんだぜ。」
「え……」
風に揺られている銀髪の後頭部を見つめる。
そういえば…
いつから彼の背はこんなに大きくなったんだろう。
あの頃よりも明らかに成長してる…
当たり前だけど…
私がこうして彼の背から離れている間に…
みるみる"大人の男"になっていってるんだな…