第15章 relent*
夜の懐かしい公園に来た。
「イブの夜、ここで振られたんだ。
今でもその人が忘れられないの…」
日向はそう言って遠くを見つめた。
「へぇ…ヒナを振る奴なんているんだ」
26歳…
彼氏の1人や2人
今までいくらでもいたっておかしくない。
「なんで、振られたのかな…未だにわかんないよ…
教えてよ、タケミチくん…」
振り向いた日向は泣いていた。
え…??
俺のこと?!
俺が振られたはずじゃ…
現代では俺がヒナを振ってるのか?!
「ちょ、ちょっと俺トイレ!
車に戻ってて!!」
そう言って、公園のトイレで顔を洗った。
よくわかんないけど…
ウジウジしててもしょうがねぇ!!
「変わらなきゃ!!
もう一度ヒナに告白する!!」
意を決してトイレを出ると、
バッタリと出くわした1人のスーツ姿の男。
「あれー?車乗ってねぇじゃん…ダリィ〜」
それだけ言って踵を返して行った。
…?なんだ今の人…
独り言?変な奴…
タケミチはもう一度振り返る。
すると、その男の手の甲を見てしまった。
右手に"罰"…
左手に"罪"…
「まとめてやっちまおうと思ったのになぁ〜」
そういう呟きも耳に入ってきた。