第15章 relent*
「私は……」
ランは頭を下げている万次郎とドラケンを見つめた後、眉を吊り上げて力強く言った。
「みんなと一緒にいたい。今までみたいに。ずっと。」
パッと頭を上げる万次郎たち。
にっこり笑う万次郎の祖父。
はぁ…とため息を吐くランの祖父。
「……わかった。
だが、気が変わったらいつでも戻ってきなさい。
お前はワシのたった1人の大事な孫なんだから」
「うん…ごめん…ありがとう、おじいちゃん」
ランの祖父は寂しげに笑った後、
万次郎たちに向き直った。
「約束は守ってくれよ。
今度こそランを危険にさらさないでくれ。
次何かあったら問答無用で連れて行く。」
真剣な目をして万次郎とドラケンは頷いた。
それをジッと見つめた後、
「どうかこれからも、孫を頼む…」
そう小さく言った。
「それから佐野。今後もちゃんと金は振り込むからな」
「ひひっ。ならば金を賭けた組手勝負をこれからウチの道場でどうじゃ」
「臨むところだ!
確か今は…153勝152負517引き分けで
ワシが勝っているな」
「そうじゃ!だから次こそは勝つ!!」
「いやここで差をつける!久々だから腕が鳴るわい!」
「負けたら寿司を奢れよ!」
「こっちのセリフじゃいボケェ!」
口々に言いながら祖父たちは病室を出ていってしまった。