第15章 relent*
「私は好きで皆と不良やってんだよ?!」
祖父の顔はたちまち引き攣る。
「ハハッ…」
ドラケンが苦笑いする。
確かにドヤ顔で言うことではない。
「ラン…そんなことを声高々に言うな。
どういう育ち方をしてしまったんだ全く…
とにかく!こんなことでは命がいくらあっても足りん!そもそもお前は死にかけたんじゃろうが!!
ワシと一緒に今度こそ東北に帰るぞ!」
その言葉に万次郎もドラケンも目を見開いた。
「ちょっと待てよ!
じーさん今までランのこと放置してたくせに今更何言ってんだ!」
「放置なぞしとらん!ワシはちゃんと毎月佐野に金を振り込んどるし、またこんな目に遭わぬ保証はないだろう!」
「あぁ?」
「マイキー…少し黙れ。
ランの爺さんの言う通りかもしれない…」
ドラケンの発言に、万次郎は押し黙ってしまった。
「ランは…今ではワシのたった1人の大切な家族だ。可愛い孫とこんなに離れて暮らしていてワシが何も考えず放置しているわけがないだろう…」
「おじいちゃん……」
「だから帰ろう… ラン…。」
寂しげに顔を歪める祖父を見て、ランは泣きそうになってしまった。