第15章 relent*
「え?!おじいちゃん…?!」
「大きくなったなぁラン!」
ある日突然ランの病室を訪ねてきたのはランの祖父と、そして万次郎の祖父だった。
万次郎の祖父にはもちろん今まで毎日会っていたが、自分の本当の祖父に会うのは数年ぶりだ。
中学に上がる前に1度だけ尋ねてきただけ。
東北に一緒に戻って暮らすかと問われたが、そのときのランは万次郎たちと佐野家で暮らすことを選んだ。
「こんな怪我しよって…
大まかに話は聞いたが、自ら突っ込んで行ったとは何事じゃ。」
「まぁまぁ、月乃。
こやつらは今まさに青春真っ只中の不良だからな。」
さすがは自由奔放型の佐野家祖父。
かなり呑気だ。
しかしランの祖父は顔を顰めている。
「不良だと?!それでいて暴走族なんぞやってる場合か!学業はどうした!ワシはお前をこんな危険に晒すために東京に残し佐野に預けてるわけではないわい!」
その言葉に、そばにいた万次郎が真顔で言った。
「ランはちゃぁんとお勉強もトップだよ。もちろん喧嘩も。」
「ああ"?!
あのな、万次郎くん、それから…あぁ、君が一緒に致命傷を負った龍宮寺くんだね?君ら不良の世界にこれ以上孫を巻き込まないでくれ!ランは女なんだぞ!」
「ちょっとおじいちゃん!!」
その言葉にピキンと青筋を立てたランが声を荒らげる。