第14章 revive
「…はぁ…なんか俺、今いきなり恥ずかしくなってきた」
「え?!」
なんで今のタイミングで?!
三ツ谷は唇に手の甲を当てながら目を逸らしたままだ。
「俺さ、一応お前がファーストキスだかんな」
「えっ……そ、そうなんだ。でも…私もだよ」
あんなに慣れてる風だったのにな…
なのに実は私が初めてとか…
ちょっと…じゃなくて、
めちゃめちゃ嬉しい…かも…
「・・・」
「・・・」
妙な沈黙が流れる。
ランは思い切って言ってみた。
「わ、私からも…してもいい?かな…」
バッとこちらを向き、驚いたような顔をした三ツ谷に頬を赤らめて笑う。
「あぁ…いいけど…」
戸惑いがちに頬に手を伸ばすと、三ツ谷は逆にランの頬に手を触れた。
ランは生唾を飲み込んでから意を決したように顔を近づける。
(よく見ると…まつ毛すごく長いし…
瞳の色も薄くて綺麗……)
思えば、こんな間近で彼の顔を見た事なんて初めてだった。
三ツ谷の目が閉じて、彼の長いまつ毛が窓からの陽光でキラキラと光って見えた。
ランも目を閉じてゆっくりと唇を重ねる。
わぁ…自分からするのとされるのとじゃ、
こんなに違って感じるんだ…
なんていうかすごく……
ガララララッー…!
「っあ〜!!!チューしてるーっ!!」
「おっおいマイキーっ!!」
突然の万次郎とドラケンの声に、
バッと慌てて離れていく三ツ谷とラン。
心臓が止まるかと思うほど驚いてしまった。
相変わらずの万次郎のデリカシーのなさに
羞恥と怒りが込み上げる。