第14章 revive
「…み、三ツ谷くん……嬉しいよ?…ありがとう」
だって、私も、もうずっとずっと前から……
大好きだったんだから。
ギュッと手を握り返して嬉しさを噛み締める。
今できる精一杯の笑顔を向けた。
「じゃあ三ツ谷くんも…
私に甘えてくれるよね?」
「…え?」
「だってそう言ってたじゃん。」
ずっと見たいと思っていた
心からの笑みを向けられ、三ツ谷の鼓動が跳ねる。
「あぁ…。
ランも俺に甘えてくれるか?」
「…うん…いいの?」
「あたりめぇだろ」
「私…三ツ谷くんのこと、幸せにする。」
「っ… ラン…」
"三ツ谷くんの恋、うまくいくといいね!
そんなにいい子なら、きっとどんな三ツ谷くんも受け入れて、幸せにしてくれると思う!"
その言葉が脳裏に反芻された。
やっぱこの子には適わない。
そう思った。
きっとこれから自分は
もっともっと翻弄されていく…。
もう止められない。
もう遅い。
この子のことも自分のことも
好きなだけ甘やかしそうで
そんな甘ったるいこれからの未来が
少しだけ怖くもあって
そしてやっぱり心には
温かいものを灯した。